トピックス

超高速MAS下でのC-H, N-H原子間距離の正確な決定法(VC-CP法)

2017年03月21日

VC-CP(Cross-Polarization with Variable Contact-time)法測定は固体NMRにおいてC-H, N-Hの双極子相互作用を測定する方法になります[1]。 60kHz以上のマジック角回転(MAS)条件下でこの測定(Fig. 1a)を行う事により、プロトンとその結合している炭素13や窒素15との正確な原子間距離を双極子相互作用の大きさから見積る事ができます[2,3]. プロトン観測タイプの測定法(Fig. 1b)では検出感度が改善されるため、積算効率が6倍程度になります[4]。 Fig. 2に実際の試料(U-[13C, 15N] L-アラニン)で測定をしたデータを示します。 炭素13検出タイプシーケンス(Fig. 1a)で測定したデータ(Fig. 2a, b)に比べて、 プロトン検出タイプシーケンス(Fig. 1b)で測定したデータ(Fig. 2c, d)のs/nが改善されたことが分かります [4]。




検出感度の良いプロトン検出タイプのVC-CP法測定では天然存在比の炭素13, 窒素15に対して適用が出来ますので同位体標識の試料は必要無くなります。下記に非標識L-ヒスチジンのデータを一例として示します(Fig. 3, Fig. 4)。超高速MASによる分解能改善の効果で綺麗に分離したプロトン-双極子カップリング二次元スペクトルを得ることができます [4]。





参考文献
[1] P. Paluch, T. Pawlak, J.P. Amoureux, M.J. Potrzebowski, J. Magn. Reson. 233 (2013) 56?63.

[2] P. Paluch, J. Trebosc, Y. Nishiyama, M.J. Potrzebowski, M. Malon, J.P. Amoureux, J. Magn. Reson.
252 (2015) 67-77.

[3] Application Note NM140017 (http://www.j-resonance.com/en/application/?appid=NM-140017) .

[4] Y. Nishiyama, M. Malon, M.J. Potrzebowski, P. Paluch, J.P. Amoureux, Solid State Nucl. Magn.Reson. 73 (2016) 15-21.


(印刷用PDF 771 KB )